async await

思考実験として、次のことを想像してみてください: await のキーワードがPromiseに対して使われた場合、JavaScriptコードの実行を一時停止します。そして、その関数から返されたPromiseが完了した場合にだけ、コードの実行が再開されます。このようにJavaScriptランタイムを制御する方法を想像してみてください:

// 実際のコードではありません。ただの思考実験です。
async function foo() {
    try {
        var val = await getMeAPromise();
        console.log(val);
    }
    catch(err) {
        console.log('Error: ', err.message);
    }
}

Promiseが完了したとき、次の処理を続けます

  • そのPromiseが resolve され、 await が値を返す場合

  • そのPromiseが reject され、同期的に捕捉できるエラーを投げる場合

これは一瞬にして(そして魔法のように)非同期処理のプログラミングを同期処理のプログラミングと同じように簡単に変えます。この思考実験に必要なものは、下記の3つです:

  • 関数の実行を一時停止できること

  • 関数の内側に値を入れられること

  • 関数の内側に例外を投げられること

これはまさにジェネレータが可能にしたことです!上記の思考実験は、TypeScript / JavaScript のasync/awaitの実装に使われています。それらの内側の仕組みは、単にジェネレータを使っているのです。

生成されたJavaScript

これを理解する必要はありませんが、ジェネレータのことを知っていれば、かなり簡単です。関数fooは次のように単純に囲んだもので実現できます:

このwrapToReturnPromiseは単にジェネレータ関数を実行してgeneratorを取得します。そして、generator.next()を使います。返り値がpromiseなら、そのpromisethen+catchし、結果に応じて generator.next(result) または generator.throw(error) を呼び出します。それだけです!

TypeScriptにおける Async Await のサポート

Async - AwaitTypeScript1.7以降でサポートされています。非同期関数の先頭に_async_キーワードが付きます。 _await_は、非同期関数の戻り値promiseが完了し、_Promise_から値を取得するまで実行を中断します。 以前は、ターゲットがES6以降の場合のみサポートしており、ES6のジェネレータに直接トランスパイルしていました。

TypeScript2.1は、ES3とES5のランタイムにAsync/Await機能を追加しました。これが意味することは、ブラウザの環境に関わらず、Async/Awaitを利用できるということです。TypeScript 2.1以降、Promiseのためのポリフィルがグローバルに追加されたことにより、多くのブラウザでasync/awaitがサポートされています。

このコードの例を見て、TypeScriptのasync/awaitがどのように動作するかを理解してください。

ES6へのコンパイル結果(--target es6)

完全な例を ここ で見ることができます。

ES5へのコンパイル結果(--target es5)

完全な例を ここ で見ることができます。

注意:ES6、ES5のどちらをターゲットにする場合でも、ランタイムがグローバルにECMAScriptに準拠したPromiseの機能を持っていることを確認する必要があります。Promiseのためにポリフィルを用意する必要があるかもしれません。また、libフラグを "dom", "es2015"もしくは"dom", "es2015.promise", "es5"のように設定することで、TypeScriptがPromiseの存在を認識できるようにする必要があります。 各ブラウザのPromiseサポート(ネイティブ実装およびポリフィル)の有無を このサイト で確認できます。

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