function *
は_ジェネレータ関数_の作成に使う構文です。ジェネレータ関数を呼び出すと、_ジェネレータオブジェクト_が返されます。ジェネレータオブジェクトは、イテレータインターフェースに準拠しています(つまりnext
、return
およびthrow
関数を実装しています)。
ジェネレータが必要となる背景には2つの重要な動機があります。
遅延評価
ジェネレータ関数を使用して遅延評価されるイテレータを作成することができます。次の関数は、必要なだけの整数の無限リストを返します:
function* infiniteSequence() {
var i = 0;
while(true) {
yield i++;
}
}
var iterator = infiniteSequence();
while (true) {
console.log(iterator.next()); // { value: xxxx, done: false } forever and ever
}
もちろんイテレータが終了した場合は、以下に示すように{ done: true }
の結果を得られます。
function* idMaker(){
let index = 0;
while(index < 3)
yield index++;
}
let gen = idMaker();
console.log(gen.next()); // { value: 0, done: false }
console.log(gen.next()); // { value: 1, done: false }
console.log(gen.next()); // { value: 2, done: false }
console.log(gen.next()); // { done: true }
ジェネレータ関数の外部制御
これはジェネレータの真にエキサイティングな部分です。本質的には、関数がその実行を一時停止し、残りの関数実行の制御(運命)を呼び出し元に渡すことができます。
ジェネレータ関数は、呼び出した時には実行されません。単にジェネレータオブジェクトを作るだけです。サンプルの実行とともに次の例を考えてみましょう:
function* generator(){
console.log('Execution started');
yield 0;
console.log('Execution resumed');
yield 1;
console.log('Execution resumed');
}
var iterator = generator();
console.log('Starting iteration'); // これはジェネレータ関数の本体の前に実行されます
console.log(iterator.next()); // { value: 0, done: false }
console.log(iterator.next()); // { value: 1, done: false }
console.log(iterator.next()); // { value: undefined, done: true }
これを実行すると、次の出力が得られます。
$ node outside.js
Starting iteration
Execution started
{ value: 0, done: false }
Execution resumed
{ value: 1, done: false }
Execution resumed
{ value: undefined, done: true }
関数はジェネレータオブジェクトに対してnext
が呼び出された時に1回だけ実行されます
関数はyield
文が出現するとすぐに一時停止します
つまり、基本的にジェネレータ関数の実行は、ジェネレータオブジェクトによって制御することができます。
ここまで、ジェネレータを使った通信は、ほとんどがジェネレータがイテレータの値を返す、一方向のものでした。JavaScriptのジェネレータの非常に強力な機能の1つは、双方向の通信を可能にすることです!
iterator.next(valueToInject)
を使って、yield
式の返却値を制御することができます
iterator.throw(error)
を使ってyield
式の位置で例外を投げることができます
次の例は iterator.next(valueToInject)
を示しています:
function* generator() {
var bar = yield 'foo';
console.log(bar); // bar!
}
const iterator = generator();
// 最初に`yield`された値を取得するまで実行する
const foo = iterator.next();
console.log(foo.value); // foo
// `bar`を注入して処理を再開する
const nextThing = iterator.next('bar');
次の例は iterator.throw(error)
を示しています:
function* generator() {
try {
yield 'foo';
}
catch(err) {
console.log(err.message); // bar!
}
}
var iterator = generator();
// 最初に`yield`された値を取得するまで実行する
var foo = iterator.next();
console.log(foo.value); // foo
// 処理を再開させ、`bar`エラーを発生させる
var nextThing = iterator.throw(new Error('bar'));
まとめると、このようになります:
yield
は、ジェネレータ関数の通信を一時停止し、関数の外部に制御を渡すことを可能にします
外部から、ジェネレータ関数本体に値を送ることができます
外部から、ジェネレータ関数本体に対して例外をthrow
することができます
これが、どのように便利なのでしょうか? 次のセクションasync/awaitでそれを説明します。
iterator async-await